実家を貸す方法と流れ
親が施設に入ったり、亡くなったりして実家が空き家になったとき、「売るのは忍びないので貸すことはできないか?」と思う方も多いのではないでしょうか。
実際、空き家を貸して家賃収入を得るという選択肢は、実家を維持しつつ収益も得られる賢い方法です。
ただ、賃貸経営には知識や判断力が必要になります。
実家賃貸のご相談を受ける時、私はいつも「賃貸は事業になりますので、大家としての気構えが必要です」とお伝えしています。
ここでは、実家を賃貸に出したいと思った時に知っておきたいことをまとめました。
ご実家を賃貸に出す前の参考になれば幸いです。
契約ってどうするの?貸す前に知っておきたいこと
賃貸借契約とは、貸主(大家)と借主(入居者)が交わす法的な契約です。
契約期間、家賃、更新条件、解約時のルールなどを明記した書類で、トラブルを避けるためにも内容をしっかり把握しておくことが大切です。
普通借家契約の場合、大家さんをやめたいからといって直ぐに退去してもらうわけにはいきません。
普通借家契約の他に「定期借家契約」もあり、家賃は少し安くなりますが期間満了で確実に契約を終了できるメリットがあります。
ご自身のライフプランに合わせた契約形式を選ぶことが大事になります。
この家、いくらで貸せるの?査定から募集へ
賃貸に出す前に、その物件がいくらくらいで貸せるのか賃料査定が必要です。査定は立地、築年数、間取り、設備の状態、周辺相場などから判断されます。
戸建の場合は同じものが無いので判断が難しいのですが、信頼できる不動産会社に相談すると、査定を通して必要なリフォームや賃貸の方向性も見えてきます。
貸主の募集も不動産会社が引き受けてくれますので、写真や内見時の印象が悪くならないよう、清掃や簡単な修繕で第一印象を良くしておきます。
実家を貸す際のメリットとデメリット
空き家を貸す最大のメリットは、やはり家賃収入を得られることです。
放置しておくよりも経済的なメリットがありますし、定期的に人が住むことで建物の劣化も防げます。一方で、賃貸にはトラブルやリスクも付きものです。
賃貸を検討する時に、メリットデメリトの両面を理解しておきましょう。
家賃収入はありがたい副収入
賃貸人が決まれば毎月安定した家賃収入を得ることができます。
家の修繕や設備の故障が無ければ特にすること無く家賃が入るので、固定資産税や管理費用の負担が軽減されます。
家賃収入は将来の生活資金や子どもの教育資金に充てることも可能です。
特に都内23区や都市部の駅から徒歩圏内の物件であれば、高めの賃料設定も見込めるため、資産活用として大きな魅力があります。
誰かに住んでもらうことで実家が守れる
空き家を放置すると湿気や害虫、設備の老朽化などで建物の傷みが早まります。
人が住んでいると換気や点検が行き届き、劣化を防ぐことができます。
また誰かに住んでもらうことで「空き家であることの不安」からも解放されます。
賃貸に出すデメリットとは、どんなリスクがあるの?
一方デメリットとして、家賃の滞納や退去時の入居者とのトラブル、設備の故障や災害時の破損による修理、といった問題が起こることがあります。
こうしたリスクを避けるには、信頼できる入居者を選ぶこと、ペットの可否や最近では民泊利用の禁止など、内容を把握し契約を結ぶことです。
自分で管理をする自主管理もできますが、管理会社に任せる体制づくりもリスク回避になります。
実家を賃貸に出す際の経費と初期費用
家を貸すには、一定の初期投資も必要です。
リフォームや広告費、賃貸人が決まったあとは管理手数料など、賃貸に出す準備や維持にはお金がかかります。
家賃収入を得る前にどのような費用が発生するのか、知っておくことで慌てずに済みます。
貸す前にお直しは必要?リフォームと維持費の話
築年数の古い実家では、水回りや内装のリフォームが必要になることがあります。
賃貸用のリフォームは過剰にする必要はなく、清潔感と安全性が押さえておきたいポイントです。
また、入居後も給湯器の交換や設備の修理など、定期的な維持費用が発生します。
入居者募集にかかる金、広告費などの目安
入居者募集の際には、家賃の1か月分程度が目安の広告料(AD)が発生すると考えておきます。
また、物件を魅力的に見せるための写真撮影や、Web掲載用のクリーニング費用も必要になる場合があります。
管理を不動産会社に頼む場合の費用
管理業務を不動産会社に委託する場合、家賃の5%程度が管理手数料として発生します。
入居者対応、トラブル処理、定期点検などを代行してもらえるため、自分で対応するのが難しい場合にはとても助かる存在です。
特に家賃の滞納が発生した場合の回収は精神的な苦痛も伴います。プロに任せた方が賢明でしょう。
賃貸物件の安定的な運営を考える
賃貸経営を始めるのですから長く続けていきたいところです。
借り主が決まったから終わりではなく、入居者が継続して住んでくれる工夫や、賃料の見直し、市場ニーズの把握などが大切です。
少子高齢化、移民政策など時代の変化とともに、住まいのニーズも変化していることを意識しましょう。
ずっと住んでくれる人に出会うには?
長く住んでくれる入居者が見つかると、賃貸経営が安定します。
清潔さを保つことや行き届いた手入れなど物件を大事に扱うことで良い入居者に選んでもらえる可能性が高くなります。
不動産会社を通じ保証会社の活用も有効です。
エリアの今を知り、これからのニーズを予測する
周辺環境、例えばスーパーや学校が近いといったポイントも重要です。
また、近隣で再開発が進んでいる、大学や企業の移転があるといった情報は、賃貸ニーズに大きく影響します。
また近年は、民泊運営ができる戸建てを借りたい事業者もいます。
通常の賃貸より高い家賃で貸せる場合もあるので、民泊用に貸し出せるか検討してもいいでしょう。
不動産会社と定期的にやりとりしたり、地域ニュースをチェックしたりすることで、賃貸経営を有利に進めるヒントが見つかることも多くあります。
まとめ
実家で賃貸経営をする時のことが少しイメージできたでしょうか。
大変と思いましたか?それとも出来そう!と思ったでしょうか?
空き家を貸して家賃収入を得るという選択肢は、実家を維持しつつ収益も得られる賢い方法です。
賃貸に出すには実家の立地や状態の他、大家としての気構えも必要です。
ご自身のライフプランに合わせた契約形式を選ぶこと
実際に賃貸に出す時のメリットデメリットを知ること
賃貸に出す際の経費や初期費用を理解すること
長く賃貸経営ができそうか考える
などを考慮した上で賃貸経営ができるかを判断し、ご両親様から引き継いだご実家が有効活用できるよう願っています。
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