相続して空き家になった実家を貸し出そうと考えた時に、リフォーム費用をどのくらいかけたらいいか疑問に思ったことはないでしょうか?
空き家を賃貸に出す場合、リフォームは必ず必要なものではありません。なぜなら、費用をかけたから必ず借り手が見つかるとも限りませんし、かけた分だけ家賃が上がるものでもないからです。
ここでは、リフォーム無しで空き家を貸し出す時の注意点について書いていきます。
実家を賃貸に出すために知っておきたいこと
リフォーム無しで賃貸に出す方法とは
親から受け継いだ家を、手放すのではなく有効に活用したい。けれど貸し出すためのリフォーム費用は用意できない。そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
リフォームをせず賃貸に出す場合は、物件を魅力的に見せる工夫が必要です。先ずは使えそうにない家具や不要な物は片付け掃除をします。
賃貸が決まるかは内見時の第一印象が大きく影響します。そのため片付けや掃除はプロに頼むのもお勧めです。
リフォームより費用がかからないケースがほとんどですし、きれいに掃除された家は大切に使われていたと伝わり第一印象を良く見せる効果があります。
空き家を賃貸に出すときのメリットとデメリット
空き家を賃貸に出したいけど管理や手続きが大変そう…と躊躇しているかもしれません。賃貸に出すメリットとデメリットをあげてみます。
メリット
・家賃収入が得られる
・人が住むことで老朽化を防げる
・空き家にならないことで近隣の治安が保てる
デメリット
・借り手が見つからない場合の心労がある
・賃貸契約や借り主との間でトラブルが生じる可能性がある
メリットだけでなくデメリットも知ることによって、賃貸に出す際のリスク対策ができます。
空き家になった実家を貸す際の注意点
いよいよ空き家を貸し出すと決めたあと、どんな注意点があるか確認をしてみましょう。
契約における重要なポイント
実家は思い入れのある大切な住まいです。いい人に大切に住んでもらいたい、そのためには賃貸契約を結ぶ際の契約書が大事になります。
こんなはずじゃなかったを減らすために2つ例に挙げます。
・契約期間や更新条件
賃貸借契約は通常、普通賃貸借契約を結びます。普通賃貸借契約は借り主の権利が強く更新しやすい反面、貸主から更新を終了することははぼできません。
いづれ実家に住みたい場合は定期賃貸借契約が適していますが、住める期間が決まっていると入居者を探しづらい面もあります。
・修繕責任の範囲
修繕の範囲は契約時にきちんと取り決めをします。リフォームをしないで貸し出す場合、賃借人の自由なリフォームを許可することで賃借人が決まる場合があります。
いづれにしても、思い入れのある実家が予期しない姿に代わるかもしれないので、自身の思い入れと賃貸業としての線引きが必要になります。
ご自身の希望を不動産会社へ伝え、希望に沿った契約内容にしてもらいましょう。
賃貸開始後の注意すべきリスクと備え
賃貸後、家賃が支払われない、賃借人がペット不可なのに飼っていたなどルールを守らないケースがあります。
リスクに備えるために家賃保証サービスや不動産管理会社を利用すると安心です。最近は親族に保証人を求めるケースは減ってきています。
空き家の維持管理
空き家を賃貸に出す場合もデメリットがあることが分かりました。それでは空き家のままでいいのでしょうか?
空き家を維持するには、定期的な清掃や修繕、草木の手入れが必要になります。
空き家を放置したままだと、住宅の資産価値の低下、近隣とのトラブル、地域の治安悪化の原因になります。
賃貸に出す場合と空き家のままで管理するのとどちらがいいか、それぞれのデメリットを知ることは検討材料の一つになると考えます。
実家を貸す際の賃料設定のポイント
賃料設定などは地域の不動産会社に相談します。
賃貸人の募集も行ってくれますので、信頼でき長くお付き合いしたいと思える不動産会社を探しましょう。
適切な賃料の決定方法
賃料を決める際は周辺の家賃相場の他に
・立地
・物件の構造
・広さ、間取り
・内装、設備
・築年数
・その他の募集条件
なども考慮します。
地域や立地による賃料相場
どんなに立派な建物でも、地域や立地条件によって賃料相場は大きく異なります。
例えば
・駅に近いなど利便性が高い
・商業施設が充実している
などは、賃料が高く設定できます。
家賃収入を最大化するためには
家賃収入の最大化は高い家賃設定ではなく、長く住んでもらえる物件にすることです。
物件の特長は見いだせているでしょうか?
・リビングからの眺望が美しい
・広い土間がある
などの特長がある場合は強調します。
特長が思い浮かばずリフォーム無しで賃借人を募集する場合は、冒頭でも述べましたが部屋のクリーニングが重要です。
清潔感のある部屋は第一印象で住みたいと思わせることができますし、大切に使われてきた家だと感じられるので好感が持たれます。
賃貸人の誠意が伝わることで長く住みたいと思ってもらえ、長期的な安定収入を見込むことができます。
また物件情報を詳細に伝えることが、借り手の安心感と信頼感に繋がります。
リフォーム無し空き家の入居者募集方法のコツ
家賃設定に合ったターゲット層の見極め
リフォーム無しで空き家を貸す場合、手ごろな賃料設定にする方が早く賃借人が見つかります。
ターゲットとしては
・コスト重視の若いカップル
・自分でDIYをして住みたい人
・地域を離れたくない高齢者
などがあげられます。
ターゲットを想像し賃貸募集の準備をすることで早期に借り手を見つけられます。
部屋にアクセントを加える
大掛かりなリフォームはできなくても
・壁紙を一部分アクセントクロスに張り替える
・照明を今風なものに交換する
など、少し手を加えることで、雰囲気を一新することができます。低コストで効果的な方法です。
効果的な募集広告にするために
借り手が見つからなかったら…という不安を解消するために、写真や動画で物件の魅力を伝える工夫をします。
この場所から撮ると部屋の雰囲気がいいなど、撮影ポイントを把握しておきます。
また生活している姿をイメージできるように、家具を置いたり植物を飾ったりするのも効果的です(ステージングといいます)
入居者を引きつける工夫をして、不動産会社にもアピールしましょう。
まとめ
相続した実家をリフォーム無しで賃貸に出すことは可能です。
リフォーム費用をかけたから必ず借り手が見つかるとも限りませんし、かけた分だけ家賃が上がるものでもないからです。
行き届いた掃除など、賃貸人の誠意が伝わることで長く住みたいと思ってもらえ、長期的な安定収入を見込むこともできます。
リフォーム費用が捻出できないからと賃貸に出すのを諦めるのではなく、空き家の状態での管理負担とも比較し判断してください。
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